石橋英子

渋谷O-West。アルバムでの分厚くてアタックの強い音像を、9人編成の大所帯ですべて生音で再構築するというのは、相当に見ごたえがありました。あまり整合せず、人数分の音圧でガーッと行くような感じの曲が多くて、そこがおもしろかったんですが、キモはドラマーのオータコージでしょう。おれはこの人、ドラマーのタイプとしてはあまり好きじゃなかったんですが、この日のライヴにはこれ以上ないほどハマってて、この人の破天荒なドラミングがあったから全体がうまくまとまった、みたいな感じがあったと思います。総じて、石橋さんの攻撃的な部分が突出して出たライヴだったと思いますね。

ハイライトはやっぱり七尾旅人との共演で、石橋さんの小悪魔ヴォーカル+七尾の狂気ヴォーカルで奇っ怪な世界を作り出す、みたいな感じがあって、いやもうゾクゾクしました。七尾はソロの方ももう圧倒的だったし、やっぱりすごいお人ですね。あと山本さんが妙にゴキゲンで、「英子ちゃんをいじめるヤツは俺が許さん」とか言ったりして、ブッ飛ばしてるというかイッちゃってておもしろかったです。こういう時の山本さんは敵なしって感じですね。