相対性理論

赤坂ブリッツ。3月のAXの時は、ピアノひとつ入っただけでこんなに変わるもんか、というくらい分厚い音だったんですが、それに比べれば本来の感じというか、生身のバンドの音って感じでしたねえ。ギターをはじめ粗さもずいぶん目立っていて、それも含めてバンドの音。でもそれがいいというか、やっぱこのバンドは、こういうちょっと不安定な演奏の方がしっくりくる、というのは間違いなくあるんですよね。別に狙っているわけじゃないんだろうけど。

やくしまるえつこのヴォーカルも、AXの倍音がしっかり出ているような声とはちょっと違って、かなりラフで躍動感のあるポップス的な歌い方に終始していましたねえ。なんかノリノリというか、この人がこんなに楽しそうに歌うのは初めて見た気がします。ソロとかバンド外での繊細なウィスパー系とかとも明らかに違う歌い方で、なんかバンドに戻って開放的になっているような印象すらあった。だから「LOVEずっきゅん」みたいな曲でもすんなりハマったと思うんですよね。まあ最新作と同じモードということなんですが。

おれはAXの、ハイファイ〜アワーミュージック的なヴォーカルやソロの方がいいと思っていたけど、この日の歌声はちょっと新鮮に感じましたねえ。これからはこうやって分けていくのかな、とか思ったり。とにかくモロモロ含めて、このバンドは未だに全然おもしろいですよ。