長谷川健一

下北沢440。ライヴは初めて見ました。とにかく倍音成分を多く持った声が素晴らしく、ファルセットになるとそれだけでアシッド感ありまくりで、その時点ですでに世界ができあがっていると思うんですが。この日はそこに石橋英子と山本達久の即興性の高い演奏が加わることによって、もっと歪みとかねじれとかを孕んだ世界になっていく、というのがすごくおもしろかったです。特に中盤にエレキ・ギターでやったほとんど即興セッションみたいな曲は、その歪み具合が強烈で、めっちゃスリリングでしたねえ。ストイックな雰囲気もツボでした。

にしても山本達久は、こういう歌ものでもしっかり理解して叩いてる感じがするし、切れ込み方とかのセンスの良さはほんとに天性のものだと思いますね。石橋さんも浴衣姿で激萌えでありました。

この人の歌というのは、そういうアシッドとかサイケデリックとかっていうのと同時に、讃美歌っぽいというか祈祷のような厳かな部分も確実にあって、そういうのが混ざり合って、ちょっと他にはないような独自の歌になっているんだと思います。だから他の歌ものとかサイケものとは一線を画していると思うし、自分が惹かれているのもそういうところなんでしょう。

終演後には豊田道倫とかミドリのドラマーの小銭喜剛とか、いろんな人にお会いしてなんかビックリ。ご本人にもちょっとだけご挨拶して、最近出たらしいライヴCDRを買って帰りました。