二階堂和美

渋谷クアトロ。新曲はどれもブルース歌謡とかエキゾ歌謡とかの昭和的歌謡曲〜演歌、ギターレスでヴァイオリンとかピアノを含むアコースティック編成のバンド、本人ほぼ全編ハンドマイク、コブシ混じりのはっちゃけたヴォーカルとアクション、といった具合で新機軸てんこ盛り。てか、なんかこれまでとは明らかに別物のなにかが宿ってるというか、吹っ切れ感というか、覚醒した感ありまくりなライヴでしたねえ。阿波踊りダンサー呼んで一緒に踊っちゃうとかねえ、突き抜けたイキっぷりの良さがすごすぎで圧巻でした。

これまでの彼女のありようがシンガーソングライターだったとすれば、今は歌手ってことになるんでしょう。梓みちよ笠置シヅ子みたいな感じですか。もともとの資質が歌手の人だから、ずっとこういうことがやりたかったんだろうし、もしかしたら初めて理想のカタチでできたライヴだったのかも。思い通りの曲と音とヴォーカルで、ってことで。前作のカヴァー・アルバムあたりからそういう方向が強くなってたから、合点がいくところではあるけど、やっぱこの日は強烈な新鮮さがありましたねえ。