サイモン・フィン

高円寺UFO CLUB。変人的なイメージがすごく強かったのだけど、実際はとてもにこやかでダンディでいい人って感じ。演奏もリラックスしてやってる風で、観客の方が緊張していたというかとまどっていて、そのギャップが最後まで埋まらなかったような。なんかどうにも不思議な空気がありましたねえ。

ライヴは最近の曲が中心で、トラッド寄りでちょいアシッドなフォーク・ソングって感じ。概して穏やかな風情で、かつての狂気ではなく重みとか深みとかのある世界、とでもいいますか。でも本編ラストにやった『パス・ザ・ディスタンス』の「Jerusalem」(たぶん)はひしゃげたシャウトを繰り返すヴォーカルとハードにかき鳴らすアコギ・プレイがすさまじい迫力で、イヤ圧倒されました。なんか、この曲だけはイッちゃってたように思えたし、今でも狂った部分はしっかり持ってるってことなんじゃないですか。おれはもうそれだけで十分です。終演後に日本公演Tシャツと、工藤冬里の「ゲロ袋CDR」を買って帰りました。