Lou Reed’s Metal Machine Trio

ルー・リードが、Lou Reed’s Metal Machine Trioという名義での新作ライヴ盤をオフィシャル・サイトでダウンロード販売してて、さっそく購入してみました。パート1とパート2があって、ダウンロードのみがそれぞれ単体で8ドル、両方で15ドル、両方のダウンロード+CDで20ドル(+送料)、という価格設定で、どうせならってんでエイヤッと20ドルのヤツにしましたよ。てかこれ、MP3が320kbpsとかも含めて、バーン&イーノがやった販売形式とほぼ同じですね。とりあえずルーがこういう売り方をやったっていうだけで、なんかいいなあって思いましたねえ。

内容は名義にもあるように『メタル・マシーン・ミュージック』的なスタンスを、トリオ編成でフリー・ジャズ的なアプローチでやってみた、って感じでしょうか。あのアルバムとは全然違うけど、全編でルーのノイズ・ギターをフィーチャーしているというところで、たぶんルーにとっては「同じ範疇」だったからこういう名義にしたんじゃないかと思います。リズムがまったくなくて、ギター+サックス+エレクトロニクスの完全即興演奏なんですが、とにかくルーの、大蛇の如くのたうちまわるようなノイズの暴れっぷりがすごい。サックスとぶつかりあってどんどん混沌としていくところなんかは、ルーの“はうっ!”なんて声も聞こえたりして、かなりゾクゾクさせられます。

ここまでバイオレンスなアプローチというのは、ヴェルヴェットの「シスター・レイ」と、『メタル・マシーン・ミュージック』だけだったので、まあ30何年を経てケリを付けたようにも受け取れるんですが、これはやっぱりすっごく今の、リアルな音ですよ。おそらく録音してなるべく早く出したかったから、ダウンロードにしたんでしょうね。それも合点が行くような、すごく鮮度の高い音だと思います。未だにこういうことをやってるのが、彼のかっこいいところだと思いますね。