ドラびでお

秋葉原グッドマンで、ドラびでお大友良英七尾旅人ナスノミツル石橋英子+山本達久。ドラびでおの方は、ほんとは灰野敬二だったのが飛行機事故で帰国できず、急遽代役で七尾になったらしいんですが、これがもう代役云々じゃなくて、最初から仕組んでいたかのような素晴らしいライヴでした。初期のカンみたいな、アグレッシヴでザラついた手触りの長尺ジャム・セッションで、大友のニュー・ウェイヴ魂炸裂なロバート・クワイン的金属音ギターと、七尾のダモ鈴木っぽいヴォーカルという感じで、いやシビれましたねえ。

特に七尾は、いろんな才能がある人だと思うんですが、その中でもこういうフリーなヴォイス・インプロヴァイザーとしてのセンスとか才能って、相当なものなんじゃないかという気がします。エフェクターを駆使して奇っ怪なファルセットとかドスの利いたシャウトとかを次々に繰り出してきて、即興演奏の中にそういうのが入ると、演奏全体のスリルとか空気感とかがガラリと変わるんですよね。やっぱりすごい人ですねえ。ドラびでお名義にしては映像の要素がほとんどなかった(最初にやったソロではあったけど)のはやや残念ですが、これだけの演奏ならば超満足ですよ。

最初に出たナスノ石橋も良かったですね。石橋さんの現代音楽ライクなピアノも良かったんですが、ビートが入るととたんに3人いっせいにダーッと走るところがたまらんかったです。こっちはジャーマン・プログレって感じで、なんか両方ともジャーマンな日でありました。