BOREDOMS presents BOADRUM

3日、大阪・名村造船所跡地。去年のZettai-Mu以来、ちょうど1年ぶりの大阪です。会場のパルティッタはこれで3度目で、大阪でボアを見る時はここがやたらと多いですね(正しくいえば今回はパルティッタの外でしたが)。今回はNAMURA ART MEETINGというアート系イヴェントの一環だから、メンバーの意志は関係なかったようですけど、まあお気に入りの場所なんでしょうね。

9月にやったBoadrum 9の流れにあたるライヴだったわけですが、そのうち何人か来日できなかったようで、結局ドラマーは7人でした。でも内容そのものはBoadrum 9とほとんど同じで、アフロ・ビート風→陽二郎ともう1人のドラマーが御輿で登場→「スーパー・ゴー」→いろいろあって→「アシッド・ポリス」でおしまい、という感じ。キモは最初のアフロと「アシッド・ポリス」で、この2つでのドラマー7人の破壊力とか音圧とかはとにかくすさまじかったですね。これだけの人数のドラムがユニゾンで叩いてドーンと来るダイナミズムってのは初めての体験なので、やっぱりかなりゾクゾクしましたよ。

全体としては「77」でやっていたことを、大人数のドラムス優先ではなくてEYEのコンセプト優先で捉え直した発展形、という感じでしょうか。編成の特異さに埋没するんじゃなくて使いこなしてやりたいことをやってる、みたいな。そのへんの感じが最もよく出ていたのが「アシッド・ポリス」で、あのシャーマニックなビート感とか音像というのが、今のEYEの最もやりたいことなんじゃないかという気がします。EYEは最初から最後まで叫びっぱなしで、ヴォーカルが常に中心にあるというのも以前とは違う印象があって、総じて彼の色がより強く出ていたライヴだったと思いますね。

それにしてもドラム・アンサンブルの見事さはもう言うことなしで、EYEの指揮なしでもバッチリぴったり合ってて、相当にリハしたんでしょうね。全体の構成とかはまだ荒い部分があると思うんですが、アンサンブルはもう完成の域というか完璧でしょう。あとこのイヴェント全体としてもなかなかおもしろくて、特に最後の植島啓司という人のソロ・トークは興味深く、いろいろ考えさせられることが多かったです。