大友良英×山本精一

6日、新宿ロフト。ドライヴ・トゥ・2010の2日目で、sim+otomoとかうにごはんとかおもしろいライヴがたくさんあったんですが、ラストの大友良英×山本精一はちょっと飛び抜けてすごかったですねえ。ノイズ・ギター・デュオで、床に数字を書いた紙がたくさん貼ってあって、両者が数字を踏むたびにコードだか展開だかが変わるようになってて(たぶん)、しかもギターはすべてコード・カッティングのみ。ステージ上にはマーシャルとローランドのアンプが2台ずつ並んで置いてあって、それで延々と放射状的爆音ノイズが放たれるという、縛りを課してノイズだけを一点集中的に突き詰めたようなライヴでした。

変化や展開を数字に委ねるというのはPARA的な考えに直結するから、山本さんのアイデアだと思うんですが、もう自由にやってもおもしろくないから数字にまかせよう、みたいな感じだったんじゃないですかね。いろんな形態をやり尽くしてしまって、もう楽しめるポイントはここしかないみたいな、そういうこの2人しかたどり着けない境地というように思えましたね。出てくる音も、含みとか思わせぶりとかそういうものをいっさい排除した、ただ2人の攻撃性だけをストレートに叩きつけたみたいな感じだったし。MCなし、30分くらいでガーッとやって終わるっていう潔さも含めて、もうひたすらかっこよかったです。こんなライヴ、この2人にしかできないですよ。

このデュオはノイズとかアコースティックとか歌ものとか、ライヴをやるたびに方向性が変わるわけですけど、この日はちょっと別格でしたねえ。これまでで一番良かったかもしれない。大友さんはsim+otomoの方でめっちゃハードコアなターンテーブル・ノイズをやってたりもして、なんかノイズ・モードの日って感じ。この人はやっぱアグレッシヴな方がグッときますね。