豊田道倫with昆虫キッズ

渋谷ネスト。昆虫キッズ→豊田ソロ→豊田+昆虫という3部構成だったのだけど、全部良かったですねえ。とにかく全部せつないんですよね。特に豊田+昆虫は、せつなくてスカッとするというか、センチメンタリズムが爆音になってスパークするという感じで。CDも良かったけど、ライヴだとそういう特異なありようがよく伝わってきて、かなり手ごたえがありましたね。

豊田道倫は前作で取材した時、「いいシンガーソングライターの時期はもう終わり」みたいなこと言ってて、それで昆虫とこういう突き抜けたようなアプローチをやっているから、なんか合点がいった感じがします。豊田のライヴは半月ほど前にも見たけど、なんか今の彼はアッパーというかエネルギッシュでいいですね。ソロの方は相変わらずしっとりめな感じだったけど。

昆虫キッズは初めて見たんですが、一言で言えばエモーショナルな爆音のロック・バンドって感じなんでしょうけど、いわゆるエモとかラウドとかのわかりやすいところに落としていないのがいいですね。曲によって振幅性かなりあるし、収まりどころの悪さが魅力になってる感じ。この収まりどころの悪さって、00年代後半以降自分の中ではわりと重要なポイントで、単純な言葉で説明しづらい感じがいいっていうか。このバンドもそういうバンドという気がします。

それとこのバンドのベースの野本夏代って、立ち振る舞いもヴォーカルもめちゃくちゃキュートだと思うんですが、この人がまたせつなさオーラを思いっきり発していて、それがバンド全体の色になってるような。うーん、いいなあこのバンド。終了後、それぞれのライヴCDRを買って帰りました。