山本精一ドラマンダラ

スーパーデラックス。10人のドラマーが円を描いて配置されて、その真ん中に山本精一がいて、カード出したりオブジェみたいな棒で指名したりで指示を出して、ドラマーがユニゾンになったりペアのバトルになったりソロまわししたりしていく、というもの。

全員でのユニゾンはもちろんすごい音像・音圧でゾクゾクしたんですが。でもそれよりおもしろかったのがランダムに指示を出していくところで、特にドミノ倒しみたく順番にプレイしていってそれがどんどん速くなっていく、っていうのはかなりコーフンしましたねえ。あと2人ずつペアになってバトルするヤツとか。これだけ役者揃いだとそういうのがいちいちおもしろい。

だから端的に言えば、ジョン・ゾーンのコブラ+ボアドラム+ちょいPARA、ちょい大友良英、みたいな感じですかね。といってもボアみたく壮大な宇宙ウンヌンの音像とかってわけじゃないし、コブラみたくゲーム性転じてエンターテインメント性とかってわけでもなく、特に意味性も方向性もない、ただやってるだけ、っていうのが山本さんらしいって感じ。指示のランダムというか幾何学っぽいところも、PARAに通じると思うし。

発想としては想い出波止場でよくやってた、山本さんの合図でドラム・パターンが変わるヤツに近くて、あれを10人に拡大化したみたいなもの、ともいえるんじゃないでしょうか。だとすれば意味も音像もナニもないのは当然だと思うし、なんかこう、「ドラム10台並べて思いっきり好きにやってみたかっただけ」みたいな、直情っぽい印象がありましたねえ。だからこういうことをやって、EYEと大友良英山本精一の違いがハッキリ出た、ともいえるような気もします。