ミドリ

リキッドルーム。たぶんミドリ過去最高のライヴ。メンバーの集中力も気合も、全体としての一体感も出音としての破壊力もすごいものがあった。そういうバンド側から出るエネルギーに加えて、観客側からのエネルギーも膨大で、それらがぶつかりあってうねってるみたいな異様な空気になってて、ちょっと90年代のボアダムスを思い出したりした。あんな空気はめったにあるもんじゃないでしょう。

そういうバンドの音に迷いはいっさいなかったけど、後藤まりこは吹っ切れきれていない、まだなにかを引きずっているみたいな感じがあって、そこの乖離がすなわちバンドの解散ということになるのかも。でも後藤まりこはきれいだったし美しかった。特に1曲目、小銭の方を見ながら、泣くのをこらえて笑おうとしているような微妙な笑顔が、たまらなくきれいだった。

このバンドはメンバーみんなシャイなんだけど、突っ込めばちゃんと真摯に答えてくれるみたいな真面目さがあって、それぞれのキャラも個々の音も個性が強くて、すごく好きなバンドだった。だからやっぱり名残惜しいし、ライヴを見終わってこんなにせつない気持ちになったのは久々だったような。あふりらんぽもミドリも解散しちゃって、関西オルタナティヴ系の血を受け継ぐ存在がどんどんいなくなっているのは、やっぱり寂しい気がする。