のっぽのグーニー

7th Floor。熱血青春風とか叙情風とかラップとか、あるいはエクスペリメンタルなのとか、やってることすべての着地点が微妙にズレてて、そのツボを外してくる感じがたまらなく快感だった。そういうズレ具合というかハズシ方がすごく今っぽいと思った。

あのニターリとした濃ゆい笑顔とかオールバックの髪型とか、よくわかんない派手なアクションとか、そういうの全部でKY的な“イヤ〜なキャラ”を演じているような。そこからくる絶妙な後味の悪さにゾクゾクする感じ。だから田中淳一郎という人は、キャラ設定をして芸としてこれをやってるのか、大マジメな表現なのか、引き出しのひとつに過ぎないのか、どうも今ひとつ判別がつかないところがおもしろい。見るたびに謎が深まる、というところでは倉地久美夫山本精一に通じるのかも。このへんの「異才系」のテン年代型といえるのかも。

それとバンドも、あのアルバムを生演奏でやる、というところで、最良の人選と最良のアプローチだったんじゃないですか。キモはやっぱ山本達久。こういう方向性でハマるドラマーはこの人しかいないでしょう。

あと木下美紗都、ピアノ弾き語りで倍音ヴォイスがより強調されてて、MCほとんどなしツンデレ感5割増しって感じで激萌え。スッゲー良かった。