2013年ベスト・アルバム

1 でんぱ組.incWORLD WIDE DEMPA

2 大森靖子/絶対少女

3 sei and music/せいみゅー

4 DJみそしるとMCごはん/Mother’s Food

5 豊田道倫m t v

6 ヤートーイ/Shadow Sculpture

7 じゅんじゅん/せしぼんEP

8 goatNEW GAMES

9 ヨ・ラ・テンゴ/フェイド

10 サファイア・スロウズ/アレゴリア

映画『AA』

 アップリンク間章映画『AA』、ようやく見ることができた。間章の写真や映像がまったく登場せず、本人不在のまま周囲の人たちの発言の集積によって、本人のイメージが形成されるという手法は、ちょっと『桐島、部活やめるってよ』を思い出したりした。

 その発言が間章とはなんだったのか的な方へ行かず、結論めいたものもなく、むしろ間とは直接関係ない話も多くて、ひと言でいえば「間章を発端とする批評及びフリー・ジャズの議論」的な趣。クライマックスは灰野敬二大友良英近藤等則のそれぞれのインプロ論がスパークするところで、だから制作時の現在進行形の視点による間章への返答、といえるのかも。

 とにかく終始「発言する」ことと「考える」ことを、7時間以上かけてこれでもかと提示してくる感じで、制作者も発言者もずっと考えている、それで観客も考える、着地点などなし、そういう映画だと思う。そうなったのはインタヴューの大里俊晴の力量がデカくて、影の主役だと思った。

 13時過ぎに始まって終わったのが22時過ぎ、こんな長い映画を見たのもアップリンクにあんなに長くいたのもたぶん初めてだけど、企画者の須川善行吉田アミの「ユルい感じでやりたいんですー」って言葉がなんか良くて、その通りユルい気分で心地よく過ごせた感じ。高田馬場ACTミニシアター的というか。フォカッチャもうまかった。間章クロニクル買って帰った。

2012年ベスト・アルバム

1 禁断の多数決/はじめにアイがあった
2 柴田聡子/しばたさとこ島
3 わすれろ草/みみくりげ
4 アニマル・コレクティヴ/センティピード・ヘルツ
5 タルトタタン/テトラッド
6 オシリペンペンズ/心
7 下山/かつてうたといわれたそれ
8 シンリシュープリーム/4 Bombs
9 ローレル・ヘイロー/Quarantine
10 Moe and Ghosts/幽霊たち

以下、進行方向別通行区分、Actress、きゃりーぱみゅぱみゅ、cero、トクマルシューゴ、グリズリー・ベア、シャムキャッツ、大森靖子、七尾旅人、リカルド・ヴィラロボス、ミツメ

タルトタタン

WWW。2人とも棒立ち、振り付け、ニコニコで、ヘンに気取らずアイドルに徹底していてよかったかも。しかしそれぞれのソロはいいのに、ユニゾンになるととたんに棒歌い学芸会風になっちゃってずっこけた。CDでの「キレと鼻にかかった歌声」って良さが全然出てなくて、ユニゾン入れなくて全部振り分けで歌った方が良かったような。

真部不在も不自然さをぬぐえなかったけど、でも田渕ひさ子のギターは良かったし、演奏はCDよりうまかったような。まあなんか満足だった。

あとバンドじゃないもん!おもしろかった。歌いたい踊りたい叩きたいラップやりたい、あと寸劇みたいなのもやってみたい、って全部やってみたらわけわかんなくなっちゃった、ってそのわけわかんなさがいいっていうか。なにより終始笑顔のみさこがスバラシイ。

きゃりーぱみゅぱみゅ

赤坂ブリッツ。セット、映像、ダンス、衣装まで徹底してサンリオピューロランドっぽい遊園地的世界観を貫いた演出や、スピーディーな構成が見事。Perfumeももクロをアーティスト・パワー主体とするなら、この人は演出・コンセプト主体って感じで、その方向性にブレがない。特にダンサー8人(見事に背の低い子ばっかり揃えてる)との、シンプルでありつつツボを得たキレ抜群のダンスが素晴らしい。

ただ衣装はもっと奇抜かと思ったし、セットに巨大ドナルドダックみたいなのを置くなら、それに乗って出てくるとか、MCで言ってたけど空飛んじゃうとか、もうちょっとビックリ感が欲しかったかも。とかいいつつ本人ナニゲに礼儀正しいし、MCとか自然体な感じでフツーにカワイイし。帰りについタオルを買ってしまいました。

宇宙人

新宿タワレコで宇宙人しのさきあさこインストア。カラオケをバックに前回と同じハンドサインをしながら淡々と歌うさまは、やっぱストレンジ感ありまくり。しかし最後の曲だけ鍵盤弾き語りで、生々しい新鮮さがあって、しかも終わったら照れ笑いみたいなのを浮かべて、なんか自分の世界から抜け出てこっち側に接近したみたいな感じだった。この人のそういうのって初めて見た。文字通りツンとデレ両方を見せたみたいなライヴだった