大友良英

六本木スーパーデラックス。後半が『幽閉者』セッションで、山本精一とかジム・オルークとか7人が参加。同じ名前のライヴを2年くらい前に一度見たことがあって、ミュージック・コンクレート的な手法で、かつ演奏者がお互いの音に反応しない、という感じの趣向ですね。

その以前の時は異様な緊張感があったりしてすごく良かった記憶があるんですが、今回はどうも今ひとつでしたねえ。全体でほとんど起伏というものがなく、中盤くらいで大友とジムのノイズ合戦みたくなったところが唯一の見せ場みたいなもので、あとはおしなべて淡々。あんま緊張とかって方へ行かなくて、時折緩いとさえ思える場面もあったりしたし。あと以前の時はもっと楽器が少なくて、「物音を出すもの」ばかりだったんですが、今回そういうのは大友とドラムの山本達久くらいで、それもあってフツーの弱音セッションっぽくなっちゃった感じもありました。ただ、山本達久が次々にいろんなものでガシャガシャ音を出したり、いろんなリズムを叩いていたりしたのはおもしろかったです。この人がいたおかげでなんとか保たれた、みたいに思えましたね。

まあこういうものは、聴き手の受け取り方次第というところも大きいと思うから、今回は音とおれ個人とがうまく噛み合わなかった、という感じでしょうか。ちなみに前半は「ピアノ・ソロ」といいながら改造ピアノみたいなのでアーリー電子音楽のような音を出してて、最後はずいぶんノイジーになったりして、こっちの方がおもしろかったかも。