マヘル

渋谷ネストでマヘル・シャラル・ハシュ・バズ。13人で工藤冬里以外は知らない人ばっかり。新作の全曲演奏だったようで、だから170曲くらいやったんですかね。工藤がカウント言ってパッパッパーッて演奏して10秒くらいで終わって、演奏者がわさわさ譜面をめくって、ハイ次の曲みたいな感じで、もう延々その繰り返し。それで約2時間半。やる方も見る方も忍耐というか耐久というか、無意味な義務感みたいなものが漂ってて、すっごく妙な雰囲気がありましたねえ。それが工藤の狙いなのかどうかはわからないけど、あのマゾ的ともいえる「耐えて聴く」的なムードがおもしろかったのは確かですね。

工藤本人は終始穏やかでずいぶんリラックスしてて、演奏もだいたいそんな感じで、かつてのエキセントリックなところがほとんど皆無だったのはちと物足りなかったんですが。即興の要素も少なかったし。でもまあ、前述したような妙な雰囲気は新鮮だったし、やっぱりマヘルとも思ったんですけどね。こういうが今の彼の気分なんでしょう。