豊田道倫&ザーメンズ
渋谷ネスト。豊田道倫はソロを挟んでやったぶんソロとザーメンズの対比がより明瞭になった感じで、バンドは以前より粗暴というかノイジーな音になったような。三輪二郎のギター・ソロがかっちょよくてツボ突きまくり。
最初のどついたるねんは、方向性のよくわかんない着地点なしな感じとか、曲ごとに楽器が変わるとか、全員服装バラバラとか、意味不明混沌パワーって感じで激しくウケた。なにより客席にダイヴ(というかダッシュ)する時のイキっぷりの良さと、下着女の容赦ない壊れっぷりが素晴らしかった。
あと前野健太、ずいぶん久々に見たけどスッゲー良かった。バンドの演奏も歌もなんかスッコーンって突き抜け感があって、ちょっとゾクッときた。旬の人特有の目に見えない力が働いてる感じっていうか。特にラストのギターと二胡のバトルが圧巻だった。
シガー・ロス爆音上映
吉祥寺バウスシアターで、シガー・ロス『インニイ』爆音上映。光と闇のコントラストを強調した、ひとつひとつのカットが1枚の写真みたいなカメラ・ワークが秀逸で、このバンドの美学が漲ってる感じ。なによりテッド・ジャンセンのマスタリングによる音質が素晴らしく、それをほとんど最大限に生かした爆音システムがすさまじい迫力だった。
ボア映画の時なんかも思ったけど、このバウス爆音上映って、少なくとも音楽映画に限って言えば、作品の正確な評価とか判断とかをするには必要な環境って気がする。このシガー・ロスも、違う環境で見たら印象がだいぶ異なると思えるし。
七尾旅人×山本精一
吉祥寺マンダラ2、約5時間の長尺ライヴ。特に前半のギター、エレクトロ、ノイズ、歌、ヴォイス云々による即興セッションが圧巻。七尾のヴォイスには狂気が宿ったかのような迫力があったし、山本さんの木訥としつつ攻撃的な歌との対比も鮮やかで、両者の方向性にもブレがなかった。2月のグッドマンよりも格段に良かった。ジャーマン・ロックっぽいケイオティックなサイケデリック宇宙って感じで、音源として出せばいいのにと思うくらいだった。
OTOTOYイヴェント
渋谷WWW。いろいろおもしろかった。一番良かったのはやっぱworld’s end girlfriendで、轟音ギター+ツイン・ドラムスで音圧5割増な感じ。しかし前田氏はなぜギターをあんなに低い位置で弾くのか、ミック・ジョーンズみたいだった。あとMOROHAライヴで見たの初めてだったけどやっぱりグッときた。あと青葉市子カワイイ…。
しかし一番の衝撃はBiSだったかも。BiSってマンダ・リンだったっけ、というボケはともかく、仮にも「アイドル」があんなに「フツー」すぎる顔立ちでよいのものなのか、てか今時「フツー」の方がもっとかわいいんじゃないのか、というくらい、あまりに「そのへんにいそうな感」を放ちまくっててビビった。それでいて曲は歌謡ハード・ロック風でナニゲに良かったりするし。なによりファンの、振付を完コピしてる一生懸命さに泣けた。なんかイロイロ新鮮だった。
しかし一番ウケたのは漁港だったかも。漁港ってことは渋さの渡部真一みたいなもんか、とか思ってたら出てきたのはロマンポルシェ。の演歌版というか、「魚類系演歌デジタル・ハードコア」っていうか。ヴォーカルの人がホンモノの漁師?なのがキモで、魚の頭をホントにさばいてみせたのがエラかった。
ゑでぃまぁこん
高円寺円盤。ゑでぃ夫妻+スティール・ギターの3人編成。新曲中心で、音数が少なく浮遊感に富んだ、サイケデリック色がいっそう濃いライヴだった。とにかくゑでぃの、最初の一声からいきなり別世界に連れて行かれるようなあの歌声が絶品すぎる。以前にネストで見た時よりもリラックスしている風で、マイペースでより本領を発揮してる感じがあって、たぶんこういう小さいハコの方がやりやすいんでしょう。もうほんと至福すぎる時間だった。CDも新作とか未入手のものとかイロイロ買って、ああもうシアワセ。