アトムの足音が聞こえる

ユーロスペース大野松雄映画『アトムの足音が聞こえる』見てきた。田中雄二的に電子音楽史上の功績云々とかよりも、「適当にやったらできちゃった」っていう大野の中のオルタナティヴ性みたいなものの方に焦点を当てていて、それがEYEとか大竹伸朗とかと同じ種類のものという感じがすごくした。

それと同じような意味で、音楽用語を極力使わず、「変な音楽」「変な機械」「気持ち悪い音」とかで進んでいくっていうのもしっくりきた。「適当にやったら変な音ができちゃった」で全部すませちゃう、みたいな感じが無性に痛快。「アタマじゃなくて音そのもの」みたいな。冨永監督自身も同類の人なんじゃないですかね。あと野宮真貴のナレーションが寓話の語り部みたいで絶品。映画全体としても、なんかファンタジーみたいな感じだった。