あふりらんぽ

新代田FEVER。すでに解散宣言をしてスッキリしたからなのか、2人ともいつもにも増して開けっぴろげというか、思いっきり楽しもうとしてるみたいな感じでしたね。毒っぽい要素とか全然なくて、終始ポジティヴで、緊張感とかより開放感っていうか。だからあふりで一番いいライヴってわけじゃなかったし、約3時間であふりの要素をほぼすべて吐き出したような総括的内容で、区切りをつけるためのライヴっていう印象。個人的には『スートブレイコー』の一連の曲がとにかく素晴らしくて、“うちのこと呼んだの誰やろな”のリフレインのヤツとか、やっぱりあれがあふりのピークだったんだと思います。

あふりらんぽは一卵性双生児みたいなもんだから、それぞれがどんなにソロ活動をしても続いていくとおれは思ってて、だから解散は少なからず驚いたんですが。でも解散宣言の中にある、「必然な流れと確信、納得をしています」というのはすごくわかるんですね。理屈じゃなくて直感で「もうここまで」っていう感じがして、そこがすごくあふりらしい。おれはこのバンドが好きだから残念だけど、そう言われたら納得しちゃうんですよ。それで活動休止とかじゃなくてスッパリ解散っていうのも、やっぱりあふりだと思えます。

客観的に見ても、関西ゼロ世代の象徴だったあふりが10年代に入ったとたん解散して、入れ替わるようにしてモーモールルギャバンが出てきたりミドリが久々の新作を出したり、関西系の次の世代が台頭してきてるっていうのは、やっぱり必然なんだと思います。節目というか、時代の役目っていうか、そういうものを、あふりの2人は皮膚感覚的にわかっていたように思えますね。モーモーにしろミドリにしろ、ボア〜あふりの流れをちゃんと汲んでいるバンドだと思うし。

でもこの日のライヴを見て改めて思ったけど、2人の演奏中の呼吸感とか、瞬時にこっちへ行くってなった時に一緒にブレなく行けるとか、あのぴったりハマる感じっていうのは、この2人にしか出せないんじゃないですかね。まさに無二の2人ですよ。お互い他にそんな人いないでしょう。だから、そのうちまたやることもあるんじゃないかと思うんですが。ほんとにいいバンドでした。